肩関節の筋

鍼灸院

肩関節の筋(9種類)

①大胸筋
②三角筋
③烏口腕筋
④広背筋
⑤棘上筋
⑥棘下筋
⑦小円筋
⑧肩甲下筋
⑨大円筋

 

図の引用:ヒューマン・アナトミー・アトラス

 

①大胸筋

筋体積:676㎤ 速筋:57.3%・遅筋:42.7%
起始:①鎖骨部:鎖骨の内側半分 ②胸肋部:胸骨前面、第2~6肋軟骨 ③腹部:腹直筋鞘の前葉
停止:①上腕骨の大結節稜
作用:①肩関節の水平内転 ②肩関節の内転(下部) ③肩関節の内旋 ④肩関節の屈曲(上部) ⑤呼気の補助

胸板を形成する強力な筋。腕を横から前に振る肩関節水平内転の主力筋。

 

②三角筋

筋体積:792㎤ 速筋:42.9%・遅筋:57.1%
起始:①鎖骨部:鎖骨の外側1/3の前縁 ②肩峰部:肩峰 ③肩甲棘部:肩甲棘の下縁
停止:①上腕骨の三角筋粗面
作用:①前部線維(鎖骨部):肩関節の屈曲・水平内転・内旋
○○:②中部線維(肩峰部):肩関節の外転
○○:③後部線維(肩甲棘部):肩関節の伸展・水平外転・外旋

肩関節のほぼ全ての動きに関与し、上肢で最も体積が大きい。肩峰部は肩関節外転の主力筋。鎖骨部は大胸筋などとともに押す動きに働き、肩甲棘部は広背筋などとともに引く動きに働く。

 

③烏口腕筋

筋体積:80㎤ 速筋:ー・遅筋:ー
起始:①肩甲骨の烏口突起
停止:①上腕骨の内側中央
作用:①肩関節屈曲の補助 ②水平内転 ③内転

腕を前に振る大胸筋の働きや、腕を前方に上げる三角筋の働きを補助する。動きの貢献度は小さい。

 

④広背筋

筋体積:550㎤ 速筋:49.5%・遅筋:50.5%
起始:①第6(7)胸椎から第5腰椎にかけての棘突起(胸腰筋膜を介して) ②正中仙骨稜 ③腸骨稜の後方 ④第9(10)~12肋骨、肩甲骨の下角
停止:①上腕骨の小結節稜
作用:①肩関節の伸展 ②肩関節の内転 ③肩関節の水平外転 ④肩関節の内旋

背中の下部から脇の下にかけて広がる人体で最も面積の大きい筋。この筋が発達すると、いわゆる逆三角形のボディが形成される。

 

⑤棘上筋

筋体積:89㎤ 速筋:40.7%・遅筋:59.3%
起始:①肩甲骨の棘上窩作用:①上腕骨の大結節上部、肩関節包
停止:①上腕骨の大結節上部、肩関節包
作用:①肩関節の外転 ②肩関節の外旋 ③肩関節の安定

肩峰と上腕骨頭に挟まれる、インピンジメントによって損傷しやすい筋。

 

⑥棘下筋

筋体積:225㎤ 速筋:54.7%・遅筋:45.3%
起始:①肩甲骨の棘下窩
停止:①上腕骨の大結節中部、肩関節包
作用:①肩関節の外旋 ②肩関節の水平外転 ③肩関節の安定

ローテーターカフの中で唯一、表層にある。オーバーユースによる肩甲上神経障害で筋委縮が起る場合がある。

 

⑦小円筋

筋体積:39㎤ 速筋:ー・遅筋:ー
起始:① 肩甲骨後面の外側縁
停止:①上腕骨の大結節下部、肩関節包
作用:①肩関節の外旋 ②肩関節の安定

 

⑧肩甲下筋

筋体積:319㎤ 速筋:ー・遅筋:ー
起始:①肩甲骨の前面、肩甲下窩
停止:①上腕骨の小結節・小結節稜の上部
作用:①肩関節の内旋 ②肩関節の水平内転 ③肩関節の安定

肩甲骨内旋の主力筋

 

⑨大円筋

筋体積:231㎤ 速筋:ー・遅筋:ー
起始:①肩甲骨の外側縁、下角
停止:①上腕骨の小結節稜
作用:①肩関節の伸展 ②肩関節の内転 ③肩関節の内旋

広背筋などとともに脇の下の後腋窩ヒダを形成する。停止部が広背筋と近く、似た作用を持つ。主に広背筋の働きを補助する。

 

 

 

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