上肢帯の筋

鍼灸院

上肢帯の筋(7種類)

①僧帽筋
②肩甲挙筋
③小菱形筋
④大菱形筋
⑤小胸筋
⑥前鋸筋
⑦鎖骨下筋

 

図の引用:ヒューマン・アナトミー・アトラス

 

①僧帽筋

筋体積:458㎤ 速筋:46.3%・遅筋:53.7%
起始:①上部線維(下行部):後頭骨上項線、外後頭隆起、項靭帯を介して頚椎の棘突起
○○:②中部線維(横行部):C7~T3の棘突起、棘上靭帯
○○:③下部線維(上行部):T4~T12の棘突起、棘上靭帯
停止:①鎖骨外側1/3(上部)②肩甲骨の肩峰(中部)③肩甲棘(中部)④肩甲棘三角(下部)
作用:上部線維:①肩甲骨の上方回旋 ②肩甲骨の内転(後退)③肩甲骨の拳上 ④頭頚部の伸展
○○:中部線維:①肩甲骨の内転(後退)
○○:下部線維:①肩甲骨の上方回旋 ②肩甲骨の内転(後退)③肩甲骨の下制

上部線維、中部線維、下部線維に分かれ、それぞれ働きが異なる。日常では上部線維の使用頻度が高く、物を持ち上げる時に肩をすくめる動きなどに働く。

 

②肩甲挙筋

筋体積:72㎤ 速筋:ー・遅筋:ー
起始:①C1~C4、横突起の後結節
停止:①肩甲骨の上角・内側縁上部
作用:①肩甲骨の拳上 ②肩甲骨の下方回旋

僧帽筋とともに働き、主な作用は肩甲骨の拳上である。

 

③小菱形筋

筋体積:118㎤ 速筋:55.4%・遅筋:44.6%
起始:①C6~C7の棘突起(もしくは、C7~T1)
停止:①肩甲骨の内側縁上部
作用:①肩甲骨の内転(後退)②肩甲骨の拳上 ③肩甲骨の下方回旋

大菱形筋とは形状だけでなく、働きもほぼ同じ。

 

④大菱形筋

筋体積:118㎤ 速筋:55.4%・遅筋:44.6%
起始:①T1~T4の棘突起
停止:①肩甲骨の内側縁下部
作用:①肩甲骨の内転(後退)②肩甲骨の拳上 ③肩甲骨の下方回旋

主な作用は肩甲骨内転だが、菱形筋の特徴として、肩甲骨を下方回旋させる働きも併せ持つ。

 

⑤小胸筋

筋体積:73㎤ 速筋:ー・遅筋:ー
起始:①第2(または3)~第5肋骨
停止:①肩甲骨の烏口突起
作用:①肩甲骨の下制 ②肩甲骨の下方回旋 ③肩甲骨が固定されている場合には、肋骨を拳上

肩甲骨下制や胸郭を引き上げて呼吸を補助する。但し激しい運動をして呼吸が乱れた時のみ。

 

⑥前鋸筋

筋体積:359㎤ 速筋:ー・遅筋:ー
起始:①第1~8(または9)肋骨の外側面中央部
停止:①肩甲骨の内側縁(上角・下角を含む)
作用:全体:①肩甲骨の外転(前進) 上部:①肩甲骨の下方回旋 下部:①肩甲骨の上方回旋 ②肩甲骨が固定されている場合には肋骨を拳上

主に肩甲骨を前に押し出す働き(肩甲骨外転)がある。ボクサー筋と呼ばれる事もある。

 

⑦鎖骨下筋

筋体積:9㎤ 速筋:ー・遅筋:ー
起始:①第1肋骨の胸骨端
停止:①鎖骨下面の外側
作用:①鎖骨が外方向に引っ張られるのを防ぎ、胸鎖関節の安定・保護に貢献

腕を大きく動かす時に、胸鎖関節が外れないように引き付けて安定させる役割を果たす。

 

肩甲骨の動き

図の引用:ぷろはりどっとこむ

挙上:①僧帽筋上部 ②肩甲挙筋 ③大菱形筋 ④小菱形筋
下制:①僧帽筋下部 ②小胸筋
前進(外転):①前鋸筋 ②小胸筋
後退(内転):①僧帽筋中部 ②大菱形筋 ③小菱形筋
上方回旋:①僧帽筋上部 ②前鋸筋
下方回旋:①大菱形筋 ②小菱形筋 ③小胸筋

 

 

 

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